0歳4ヶ月、小児神経科へ 女医からの言葉に号泣した話

息子こつぶが自閉症スペクトラムと診断されるまでの話です。

「抱っこ紐に乗らなかった事件」で決定的になった息子への違和感。

インターネットで調べた「小児神経科」の予約にこぎつけ、「やっとちゃんと診てもらえる」と安堵し電話で号泣した話の続きです。


▼前回の話はこちらから▼

目の前の現実が怖かった、でも目をそらして逃げる事はもっと怖かった-覚悟を決めた私が号泣した話-

▼抱っこ紐乗らなかった事件はこちら▼

そして疑心は確信へ…「これ、絶対に普通じゃない」そう感じた出来事

 

さて待ちに待った小児神経科初診の日がやって来ました。

(参考 小児神経科とは


それまでは私の気持ちは毎日振り子のように揺れ動き

管理人ペコリ

早く初診の日にならないかなー

という気持ちと

管理人ペコリ

行ってしまう事で「何か」が確定してしまったらどうしよう…
行きたくねーーーーーーーーーー!

と発狂。

そうかと思えば

管理人ペコリ

いや…「全然大丈夫ですよー♪自閉症?ないない笑」 
で終わるかもよ!?

と浮上する一方で、息子の反り返りを目の当たりにすると

管理人ペコリ

んなわけあるかー!!!
この反り返りは…反り返りは…

違和感バリバリじゃーーーーーーーー!


沈んで浮いてまた沈む…を延々と繰り返し、

毎日「ポジティブネガティブひとり劇場」を繰り広げていました。

管理人ペコリ

診断がつくまでの
「白黒わからず宙ぶらりんな日々」
とてつもなく長く、そして本当に苦しい道のりでした…



「この子はやっぱり何かある」という気持ちと「大丈夫な気がする」という気持ちを毎日繰り返し、本当に精神的にキツかったです。

そしていよいよ迎えた受診日当日。


まだ0歳4ヶ月の息子を連れて電車を乗り継ぎ、1時間以上かけて病院にたどり着きました。

この時はまだ抱っこ紐に乗せられない上に

超絶ギャン泣きするのでベビーカーにも乗れず

スリングで対応していたと記憶しています。
(そして抱っこ紐に乗せられなかった原因もこの後判明!)



受け付けを済ませて呼ばれるまでの時間がやたら長くて、私の緊張とドキドキはピークに達していました。

管理人ペコリ

ひぃ…早く順番来て…
はぁはぁ…心臓がもたん…


そして待つ事1時間半。


「こつぶくーん」


とふいに息子の名前を呼ばれ、診察室に入ろうとしたらなんと


先生が待合室に迎えに来てくれてました。


もりの先生

いらっしゃいませ、お待ちしてましたよこつぶくん!
医師の「森野」と申します、よろしくね


今まで診察室にまで迎えに来てくれるお医者さんなんていなかったのでビックリしました。

管理人ペコリ

この先生…
今までの先生たちと違う…!

 

そして診察が始まりました。

ここに至るまでの経緯。
息子の今の状態。
妊娠中は問題がなかったか。
出産時にトラブルはなかったか。
親族に遺伝子疾患の人がいるかいないか…など

丁寧に聞かれました。

そしてその後、先生がハンマーのような物(打腱器というらしいです)で息子の足や腕を叩いて反射を見たり、息子の足を持って逆さ吊りにしてみたり、目の動きや手足の動きをじっくりみたり…

 

結果1時間半ほどで診察が終わり、先生が言いました。

 

もりの先生

 

これは「一般小児科」の先生なら見落とすかもしれないね

乳幼児健診もね、私もやってた事あるけれど体重くらいしか見ない先生も多いからね

私から見たこつぶ君ですが小児神経科医としては確かに
見すごせないレベルの筋肉の緊張があります

股関節も硬いですね

 

筋肉の緊張…

股関節が固い…?

だから抱っこ紐に乗せられなかったんだ…!

 

頭の中が一瞬真っ白になりましたが先生は続けました。

 

 

もりの先生

 

お母さん

みんなから考え過ぎとか大丈夫とかいろいろ言われて、でもやっぱり不安に思って自分で調べてここに来たんだよね

その気持ちとてもよくわかります
私でもきっとそうするよ

これからこつぶくんの成長を一緒に見て行きましょう

たったこれだけの言葉がどれだけ頼もしく心強かったか。

「一緒に見て行こう」なんて誰も言ってくれなかった。

 

ここに私たちの居場所を見つけた

大げさではなくそんな気持ちになりました。

 

今までは突然宇宙人のいる星に不時着した気分でした。

誰にも言葉も話も通じなくて、自分がどこにいるのかどこに行っていいのかもわからない、誰か話せる人はいないのか…

不安や恐怖で訳も分からずさまよっていた所にやっと言葉が通じる人(しかも女神)があらわれた、

そんな喜びがそこにはありました。

 

 

ちなみに先生の見立てはこうでした

 

・一般的な0歳4月の赤ちゃんに比べて筋肉の緊張が強い(腕がピーンとつっぱったり全体的に反射が強い、反り返りもある)
・股関節が固い
・現時点で疑われるのは「自閉症スペクトラム」か「脳性まひ」
・あくまで「傾向」「疑い」であり現時点で診断はつけられないので経過観察をして行きたい

 

私がほんのり(本音は、心の底から…)期待していた

「反り返り?ないない笑!大丈夫!」コース

にはなりませんでしたが、私はショックよりも

道筋がうっすら見えような気がして

帰り道の足取りは今までのように重くはありませんでした。

 

 

管理人ペコリ

 

私が今まで会った医師の中でいちばん患者に寄り添い気持ちを明るくしてくれる、そんな先生でした

先生は帰り際

「お母さん、今はいろいろ思う事があるかもしれないけれど、それでも毎日楽しい事だけ考えて過ごそうよ

そう言ってくれました

それにしても私、元々あまり泣かないタイプの人間だったんですが、この2年間に1000リットルくらい泣いたんじゃないかなーと思います。(1トンやんか…!)
辛い涙も多かったですが、人の優しさやあたたかさに触れたり助けられたり…嬉しい涙や感謝の涙もたくさんありました

その人達との縁は全て息子が運んで来てくれたものであり、息子がいなかったらおそらく一生知らずに終わった世界でもあり、本当にいろいろあってこの頃は「この世から消えたい」としか思えなかった私ですが、その全てをひっくるめて今は息子が産まれて来てくれた事に感謝しかありません

 

▼オススメの本▼
自閉症の作家、東出直樹さんの伝記です
「自閉症が怖い」と思う全ての人に読んでもらいたい一冊
私も読んで価値観が変わりました

 

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息子の言葉がゆっくりで心配…私がとった行動に療育のプロが一喝「ナンセンス!今すぐやめて!」

ABOUT US

管理人ペコリ
4歳男児の母。アラフォー。 子どもが0歳2ヶ月のころ助産師さんに「この子は自閉症」と言われたことをきっかけに子どもの発達や発達障害に興味を持つ。 狼狽しながらも日々情報を集めさまざまな療育を試すうちに「自分と同じように暗闇にいるママたちの力になりたい」と思うようになり保育士資格を取得。情報サイト「雨の日も、晴れの日も。」を立ち上げる。 赤ちゃん学研究の専門家と一緒に赤ちゃん絵本「スライムぴぴぴ」を作りました。