「泣きながら赤ちゃんポストに電話したの」追いつめられた母親の告白-地獄の育児日記より-

息子、0歳。
障害の疑いがあり受診した小児神経科。
初診を終えた頃から運動発達が少しずつ遅れ始めました。

▼前回の話はこちら▼

0歳4ヶ月、小児神経科へ 女医からの言葉に号泣した話


4ヶ月頃に近所の小児科の先生から「首すわりバッチリ★」と軽く言われましたが、同じ月齢の赤ちゃんのように安定した首すわりではなく

全身を突っ張って必死に首を支えている感がものすごかったのを覚えています。

管理人ペコリ

私は息子が産まれた直後からずっと「育児日記」をつけていて、4ヶ月頃の日記には
「首はすわっていないと思う、違和感がある」
そう書き記していました



もともと育児日記を付け始めたのは、息子に「障害があるわよ宣言」をした助産師さんの母乳マッサージがキッカケでした。

▼障害があるわよ宣言された話はこちら▼

すべての始まり地獄のあの日-0歳息子に障害があると告げられた日-(1)




産後すぐに通い始め「混合から完母(※完全母乳のこと)にするため」に授乳時間と量を毎回記録するように言われていて、毎日寝不足と戦いながら真面目にミルクの量をキッチリ細かく記録していました

管理人ペコリ

それまでは普通の育児記録だったんですよ
地獄のあの日までは…

出産直後  「息子誕生!とてもかわいい^^」
0歳1ヶ月 「寝不足だけど授乳を頑張ろう♪」
0歳2ヶ月 「障害があると言われた…」
0歳3ヶ月 「こつぶの発育が不安で涙がとまらない」
0歳4ヶ月 「ミルクを吐いて体重も増えない」
0歳5ヶ月 「こつぶのために前向きに考えよう」
0歳6ヶ月 「児童相談所に電話をした」
0歳7ヶ月 「目が合わずに絶望した」
0歳8ヶ月 「ズリバイができたが何かがおかしい」
0歳9ヶ月 「おすわりがまだできない」

管理人ペコリ

…こんな感じの日記が
「診断がつく2歳直前」まで毎日続きました
見返すと我ながら怖いです

月齢があがるたびに違和感は増えてゆき、いつの間にか息子を「観察するような目」で見てしまうようになりました

毎日「出来なかった事」「違和感がある事」を書き出しては絶望し、気持ちを吐き出すように日記に書き記していました
実際の日記が残っているのでお見せしたいと思います



管理人ペコリ

↑見えづらくて申し訳ないのですが

授乳の記録欄以外のフリースペースにビッシリ書いてある文字すべてが「不安」「葛藤」「息子に感じる違和感」そしてどうにか絞り出した「数少ないポジティブな言葉」でした

もうこの日記、狂気ですよね?
出産後の幸せの欠片のひとつもない、まさに地獄の育児日記
これが700日分近く記録として残っています
(ちなみに随所にちりばめられているイラストは私ではなく、錯乱寸前の妻の気分を少しでも盛り上げようとオットが描いてくれたものです)


こうして毎日ここに不安を書き記すことでなんとか精神を保っていたのだと思います。

管理人ペコリ

この日記のおかげで息子の発達の記録が克明に残っています

最初助産師さんから言われた「反り返り」だけではなく、月齢があがるにつれ「目が合わない」「ズリバイが出来たが何かがおかしい」「おすわりが遅れている」「ハイハイの型もおかしい」…違和感がどんどん出てくるのでした

中でも「あまりにも息子と目が合わなすぎて私が精神崩壊した」という香ばしいエピソードがあり、息子の目の合わなさ加減は私の中で伝説になりました
(2歳頃からばっちり合うようになりました)


▼合わせて読みたい▼

発達障害?自閉症?目が合わない赤ちゃんだった息子のこと


ところで私が地獄の育児日記を書きしたためていたこの頃。


インスタグラムで私と同じように「子どもの発達に違和感を感じている」というママさんと知り合いました。


新宿の伊勢丹で会う事にして待ち合わせをし、オシャレな親子カフェに入りました。


そのママさんはごくごく普通の、むしろ話すととても知的でウィットにとんだジョークを飛ばすような、そんなユーモアのある素敵なママでした。


そしてコーヒーが来た頃そのママさんが話してくれました。




それを聞いて私は思わず言いました

管理人ペコリ

えっ!めっちゃ奇遇ですね…
私は児童相談所に泣きながら電話しましたよ!?


今思うと奇遇ですねのテンションで話す内容じゃないんですが

自分と同じようなママを始めて目の当たりにし

思わずテンションが上がってしまいました。

それは相手のママも同じだったようで

「児童相談所!?マジですか!?」
「いやいや、赤ちゃんポストこそ!」

と言いながら2人で壊れたように爆笑してしまいました。

管理人ペコリ

2人でひとしきり笑って一瞬現実を忘れたのですが…そのあと一気に現実に引き戻されて
シーーーーーン
となりました
人間追いつめられすぎると狂ったように笑っちゃうんですね


私たちの周りにはオシャレなカフェのきらびやかな照明に照らされ会話を楽しむ親子達が沢山いました。

自分たちもその風景の一部のはずなのに、胸に抱えた鉛のような重く暗い塊とのギャップがもうすごすぎて、今もあの日伊勢丹で過ごした時間が忘れられません。

ちなみにそのママさんの「気になるお子さん」はその後成長されて「気にならないお子さん」になったと聞きました。
本当に自分の事のように嬉しかったです。


以前も書きましたが、出産するまでの私は



取り柄は「おふざけすること」そんな人間でした。

そんな人が出産後間もなく地獄の育児日記のテンションへ急転落する姿を誰が想像出来たでしょうか。


子どもの発達の不安でひとりの母親が追いつめられるのはとても容易い事。

そして今も恐らく全国にそんなお母さんがたくさんいるであろう事を、声を大にして言いたいです。

管理人ペコリ

ところで…

0歳6ヶ月で「児童相談所」に電話をした日の地獄の育児日記に
「児童相談所がどういう所かよく分かっていなかったが助けてほしくて電話をした」「ここでは対応できないと言われた」
と書いてました。もうめちゃくちゃ追い詰められていますね

保育士試験の勉強をしていて「児童相談所」についても少し学んだのですが、子どもの事で追いつめられて電話をして来た母親に対して話を聞くでもなく「うちでは対応出来ない」と電話を切るのは今思うとなんだか腑に落ちない対応でした

もし管轄が児童相談所ではなかったとしても、(乳児院もしくは保健センターだったのかもしれません)別の場所に繋ぐことは出来たんじゃないのかな…ふとそう思ってしまいました

きっと児童相談所も人の手が足りておらずギリギリのところで回しているのだろうと今は容易に想像がつきますが、その時の私はここでも話を聞いてもらえなかったとますます社会からの孤立を感じたのでした

参考 厚生労働省の児童相談所運営指針


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ABOUT US

管理人ペコリ
4歳男児の母。アラフォー。 子どもが0歳2ヶ月のころ助産師さんに「この子は自閉症」と言われたことをきっかけに子どもの発達や発達障害に興味を持つ。 狼狽しながらも日々情報を集めさまざまな療育を試すうちに「自分と同じように暗闇にいるママたちの力になりたい」と思うようになり保育士資格を取得。情報サイト「雨の日も、晴れの日も。」を立ち上げる。 赤ちゃん学研究の専門家と一緒に赤ちゃん絵本「スライムぴぴぴ」を作りました。