「歩けるようになるかわからない」と言われた0歳息子、涙の療育センター。

息子こつぶに発達障害(自閉症スペクトラム)の診断がつくまでの話です。

前回の話はこちら


療育センターの初診(0歳8か月)で

「自閉傾向あり」
「筋肉の使い方が非対称で要経過観察」
「運動発達やや遅延あり」

と言われた息子。

医師から月2回の理学療法(PT)を受けるよう指示があり、再度こつぶと共に療育センターを訪れました。
理学療法とは?

管理人ペコリ

理学療法って一体何をやるのかなー?
ドキドキ…失礼しまーす

管理人ペコリ

リハビリ室って大きいんだね
あ、こつぶ見てー!おもちゃとか滑り台もあるよ!


理学療法のリハビリ室はとても広く、我々の他にも何組かの親子が来ていました。

私がこつぶを抱っこから床におろし、キョロキョロしていると…



とても元気で明るい先生でした。

挨拶もそこそこに、一緒におもちゃで遊びながらこつぶの様子を観察してくれました。

理学療法士・本田先生

なるほど〜!
こつぶくん、低緊張ですね!

管理人ペコリ

え?低緊張ですか?
「反り返りが強い」って言われたんですけど…
むしろ緊張が強いんじゃないんですか?

理学療法士・本田先生

そうなんですよ。
反り返りが強いというか、こつぶくんは「体の体幹が弱い=低緊張」なんですね

そうすると体を支えるのに必死で手足を突っ張っちゃうイメージですね

あとは体が固いかな…だから全体的に動きがぎこちなくてバタバタ動きますね
例えるならロボットみたいなぎくしゃくした動きです

管理人ペコリ

あ!なるほどー!
すごく分かりやすいです

理学療法士・本田先生

私が「体を柔らかくするマッサージ」と「体幹を強くする姿勢」をお母さんに教えます

次回までに自宅で毎日やってあげてください!

管理人ペコリ

わかりました!!!


今まで具体的に「何をどうすればいい」という指示をもらってなかった私は、初めてもらった具体的な指示に希望を見出していました。

なかなか難しくて理学療法士さんみたいにうまくいかず、毎日手探りで悪戦苦闘していましたが「これを続けたらきっとこつぶが変わる」そう信じて教わったマッサージに励みました。


そして2週間後に療育センターに行って理学療法士さんにこつぶの体をチェックしてもらい、再度新しいマッサージを提案されて自宅でやる

その流れを繰り返しました。


そして2か月ほど立ったある日…。

療育センターの待合室で時間を待っていると、声をかけられました。

情報通ママさん

こんにちは~リハですか?
先生は誰ですか?

管理人ペコリ

こんにちは!本田先生っていう女性の…

情報通ママさん

ああ!本田先生!
このセンターでいちばん腕がいい理学療法士さんですよ
お母さん本田先生にみてもらえてラッキーですね!


センターに通い慣れてそうなママとそんな会話をしました。

本田先生は腕がいいのか、ラッキーだなムフフと少し浮かれながらリハ室に入りました。

理学療法士・本田先生

お座りが形になって来ましたね!


その頃息子は10か月になっていました。


10か月の赤ちゃんのおすわりにしては頼りなく、プルプルしながらもなんとか体をつっぱって支えてるようなおすわりで、背中は丸まっていました。


私は先ほどのママとの会話で少しテンションが上がっていて、本田先生に聞きました。

管理人ペコリ

先生!
この感じだとこの子はいつくらいのタイミングで歩けるようになるでしょう?

一瞬、理学療法士さんの顔が曇りました。

管理人ペコリ

………………?

理学療法士・本田先生

お母さん
こつぶくん、正直歩けるようになるかは…わかりません

管理人ペコリ

ひゃいっ!?

理学療法士・本田先生

歩けるようになるかは、わかりません

管理人ペコリ

えっ!!!!(ガーン)


「歩けるようになるかわからない」

予想していなかった言葉に目の前が真っ暗になりました。


結局その日のリハビリは上の空で終わってしまいました。

「歩けるかわからない…歩けるかわからない…」

療育センターの薄暗い廊下でこつぶを抱っこしながら繰り返しました。




ふと壁に目をやると療育センターの廊下には、ぞうさんやクマさんの絵がたくさん飾ってありました。

その明るい笑顔と自分に突きつけられた重い現実のギャップがものすごくて胸がつぶれそうになりました。


療育センターを一歩出るとこらえていた涙が止まらず、その日は泣きながら帰りました。



結局その後理学療法士さんの予想を遥かに上回るスピードでこつぶは伸びました。

1歳すぎくらいに歩き始めてからは運動発達は月齢程度に追いつき、1歳3か月頃に理学療法は卒業になりました。

「まさかこんなにすぐ歩けるようになると私も思わなかったです。ビックリの成長っぷりでした。」そう卒業の日に先生から言われました。

管理人ペコリ

私はこの頃は、助産師さんに始まり、医師や医療関係者に何か言われるたびに全力でショックを受け、将来を悲観しては底なし沼に沈んで行く日々でした

ですが現在はどの先生が予想したよりもはるかにこつぶは成長していて、「子どもの成長って本当に誰にも分からないもんだな」と思います

あの頃の私には、たとえ誰かに何か言われても「一旦持ち帰り落ち着いて考える冷静さ」が必要でした

子どもの発達はすぐに結果が出るものではないのに、いつも結果を焦りすぎて自分自身をさらに追いつめてしまっていたような気がします

「もっと長い目で子どもの成長を見てあげて」と当時の自分に言ってあげたいです

ちなみにこの頃、精神の不安定さを極め、なんと出産前より20キロも太ってしまいました!

そして今は無事20キロ痩せたのですが、あの頃は本当にいろいろキツかったなあと写真に写る自分の顔のパンパンさを見るたびにしみじみ思い出すのでした

ABOUT US

管理人ペコリ
4歳男児の母。アラフォー。 子どもが0歳2ヶ月のころ助産師さんに「この子は自閉症」と言われたことをきっかけに子どもの発達や発達障害に興味を持つ。 狼狽しながらも日々情報を集めさまざまな療育を試すうちに「自分と同じように暗闇にいるママたちの力になりたい」と思うようになり保育士資格を取得。情報サイト「雨の日も、晴れの日も。」を立ち上げる。 赤ちゃん学研究の専門家と一緒に赤ちゃん絵本「スライムぴぴぴ」を作りました。