今回は我が家の「障害受容」について少し触れたいと思います。
「受容」というのはその通り「ありのまま受け止める」という意味ですが、「障害受容」とはまさに障害をありのまま受け入れていくことです。
今回は息子本人ではなく、夫と私の実父の「家族の障害受容」についての話です。
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例の助産師さんに「この子、障害がある」と言われた数日後に夫に話をしていました。
え?いきなりどうした?障害?自閉症???
ちょっと詳しく聞かせてよ
あの日言われた事を詳しく伝えました。
うーん
正直他の赤ちゃんを知らないから
一般的な反り返りの許容範囲がよく分からないなぁ
まあ確かに※モロー反射はめっちゃすごいけど…俺は反り返りはそんな強い感じはしないけど
△△病院(出産した大学病院)の1ヶ月健診では特に何も言われなかったよね
※息子のモロー反射が凄すぎて「ぐるぐる巻きおにぎり君」と呼ばれていた話はまた後日アップします
そうなんだけど、お義父さんも同じこと言ってたよ
抱っこした時に「反り返って抱きづらい」って
近所の小児科の先生たちは反り返りは強くないし大丈夫だってみんな口を揃えて言うけど、でも私も違和感を感じる部分があって専門の病院に行った方がいいと思ってるんだけど
そうかー、わかった!
専門の病院で診てもらおう
その日、会社休むから3人で一緒に行こう
夫は導入部分からめちゃくちゃアッサリ受け止めてくれて、頭ごなしに否定したりせず話を聞いてくれました。
その後診断がつくまでもついてからも、彼なりの葛藤や受容する過程はもちろんあったとは思いますが、感情の起伏がジェットコースターな私と違って割と淡々と冷静な感じを貫いてました。
「障害があってもなくても、ありのままの息子を受け入れる」
このスタンスを最初から貫き通し、ただただ息子を溺愛する夫。
あちこち迷走したりブレたり突っ走ってしまう私にとっては本当に頼もしい存在です。
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一方で一筋縄ではいかなかった、私の父親の話です。
こつぶが1歳になる前に療育を受ける為に療育センターの医師に診察してもらう機会がありました。
その時はまだ診断はついていませんでしたが『運動面の発達に遅れ』が見られ始め、0歳9ヶ月直前で『おすわり』が全然できませんでした。
もちろん個人差がありますが、一般的におすわりが出来るのは0歳6ヶ月頃〜と言われています。
「まだ月齢が低く診断がつく段階ではないが自閉傾向はある」
「反り返りが強いのは筋肉の使い方がアンバランスで体幹が弱いため」
「運動発達が遅れているので理学療法(PT)と心理療法をスタート」
そう療育センターの医師に言われていました。
私は母親には相談もかねてよく電話で息子の話をしていましたが、父には何も言っていませんでした。
私の実家は遠方にあるのですが、父親にも話しておこうと思い、帰郷した際に療育センターの医師から言われた事と療育をスタートする事を伝えることにしました。
ちょっとこつぶの事で話があるんだけど…
(詳細を伝える)
え?こつぶが自閉症?
いきなり何を言ってるんだ
(心の声)げっ、、明らかに声のトーンがさがった
のっけから雲行きが怪しく、これはヤバいと思いましたがとりあえず続けました。
私もビックリしたんだけど療育センターの医師にそう言われたんだよ
自分でも違和感を感じる部分もあるし、こつぶの為に療育を始める事にしたんだよ
………………………………………
ペコリはこつぶを障害児にしたいのか?
え?
いやそういう訳じゃないよ
もちろん本音は違っていてほしいけど、多分そうはならないと思う
障害があるなら早期に療育を始める事でこつぶの為にもなると思ってて…
見かねた母が
「ペコリ達なりに考えての事だから、私たちも療育について行ってあげようか?」
そう助け舟を出してくれたのですが…
そんなくだらないとこになんで俺が行くんだよ
なんで母親が自分の子どもを信じてやれないんだ
もう今後一切その話を俺の前でするな!
(心の声)ああ……終わった…
ねえ、信じるって一体なに…
クダラネートコってどこ…
今思い返すと
切り出すタイミングを急ぎすぎた
とか
障害という言葉を出さずにマイルドな切り口(ちょっとおすわりが遅めなのよ)がよかったか
とか
何回かに分けて小出しにすればよかったのか
そもそも何も言わない方がよかったのか
ちょっとおどけてピエロのように…とか
あげればキリがありません。
今も時々どうすればよかったのかなーと思い出してしまったりする事があるのですがやっぱり答えは出ないままです。
家族だからこそ最初から包み隠さず知っていてもらいたいし一緒にこつぶの成長を見ていってほしい
そう願う私の甘えが招いた結果だったのかもしれませんが、大撃沈でした。
結局父はその1年後に病気で亡くなってしまったのですが、あの日以降、父の前で息子の発達や障害についての話は1度もする事はありませんでした。
それが正解だったのかどうかは未だに分かりませんが、たとえ家族だったとしても自分とは違う人間であり、分かり合えない部分や価値観の違いは必ず存在しますよね。
この話において「父は私とは違う考えだった」という事実がただ存在していて、私はそれを受け止めたという結果になりました。
この時点ではまだ「自閉症スペクトラム」と診断はされていませんでしたが、「障害の受容」についてはとても難しい問題で絶対こうだという正解はなく、家族の数だけ形があるように思います
私は突っ走って夫にも父にもいきなり切り出してしまいました
夫は意外すぎるほどすんなり受け止めてくれましたが、父に対しては全て包み隠さず言う事が必ずしも正解ではなかったと痛感しました
どのように伝えるか
どこまで伝えるか
そもそも伝える必要があるのか
事前に夫婦でよくよく話し合うのがいいかもしれませんね
私にとってこつぶが大切な子どもであるのと同時に、父にとっても息子は大切な孫だということを、もう少し父の気持ちに寄り添って考えてあげられていたらまた違う結果があったのかもしれません
最後に…
自閉症の子を成人に育てるまでの母親心理
こちらは産まれてすぐ視線の合わなさが気になるところから始まり、検査を受けても様子見と言われ続け不安な日々を過ごす母親の心理がとても丁寧に追ってあります。ここに出てくるケースが過去の自分とものすごく重なる部分があり、読んでいて苦しい部分もありましたが、一方でとても興味深かったです。興味がある方はぜひご覧ください
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