発達が遅い息子。他の子を見るのが辛い…心が折れた私を包んでくれた見知らぬママの愛の巻

息子こぶつに発達障害(自閉症スペクトラム)の診断がつくまでの話です。

▼前回の話「涙の療育センター」はこちら▼

「歩けるようになるかわからない」と言われた0歳息子、涙の療育センター。

管理人ペコリ

私は息子が産まれてから、近所の児童館に定期的に通っていました
0歳児のママさんは行ったことある方も多いのではないでしょうか?


児童館とは児童福祉法に基づく児童厚生施設の1つで、平たく言うと「0歳から18歳のすべての児童の遊び場」の事です。児童館とは


近所の児童館では0歳から3歳くらいまでの年齢別に「クラブ」があり、毎週決まった曜日に同じ年齢の赤ちゃんや幼児が集まっていました。


主治医とのこんなやり取りもあり、私は時間を見つけてはせっせと児童館の「赤ちゃんクラス」に通っていました。

最初のうちは特に何も気にせず楽しく通っていました。


ところが0歳6か月を過ぎてくると「もうお座りした」「ハイハイできる」「目が合うとけたけた笑ってくれる」など、発達の差がどんどん出始めました。


赤ちゃんクラスに通っているママもだんだん顔見知りが増え「◯◯ちゃんはもう□□できる」が毎週定番の話題でした。




管理人ペコリ

まだ0歳5か月でハイハイ…この子はエリート赤ちゃん!?
うちはハイハイどころか寝返りもまだだし目すらぜんぜん合わないんですけど…!?

 

児童館のママさん

△ちゃん、ベビーマッサージすごく嬉しそう
ニコニコしていてかわいいねえ

管理人ペコリ

うちはベビーマッサージすると全力でのけぞってギャン泣きですけど…(後に触覚防衛と判明)
だからベビーマッサージの時間はやってるフリだけしてるんですが…


通っているうちに、だんだんしんどくなっている自分がいました。


他の赤ちゃんのめざましい発達を見ると

「どうしてうちの子だけまだ出来ないんだろう」「他の子と明らかにちがう気がする」

そう思うようになり辛くなっていきました。

管理人ペコリ

でもそんな事気にしちゃいられない…
息子の為に頑張って通わないと


もはや楽しみなんて1ミリもなく、義務感と使命感のみで通っていました。



そんなある日…こつぶ0歳10か月のころ。
その日も児童館で「赤ちゃんクラス」がありました。

児童館の先生

はーい!今日はハイハイマウンテンを出しますよー!


ハイハイマウンテンとは、赤ちゃんがハイハイして登れるゆるやかな山の形をした遊具のことで、赤ちゃんやママたちに大人気のコンテンツでした。

児童館のママさん

やったね、◯◯ちゃん
今日ハイハイマウンテンだよ!


その頃こつぶはまだおすわりがやっと出来た状態で、ハイハイはまだ出来ませんでした。


▼こちらもどうぞ「ハイハイのクセが強すぎた」話▼

片足を立てる「ハイハイ」は発達障害?クセが強すぎた息子のハイハイ。


管理人ペコリ

ああ…ハイハイマウンテンか
もうみんなハイハイできるし、マウンテンで遊べないのうちだけだよ…

今日来なければ良かった…


肩身が狭くて心が折れそうになってました。



そして先生がハイハイマウンテンを出してくると赤ちゃん達が一斉にマウンテンに寄って行きました。

すると隣にすわっていた見知らぬママとその赤ちゃんもハイハイはまだ出来ない様子で、私やこつぶと一緒にその場に座ってました。



雰囲気に合わせて私は顔は笑っていましたが、本心は泣きそうでした。

すると…


隣に座っていた知らないママさんがすっと立ち上がり、まだハイハイできない赤ちゃんをマウンテンのふもとにつれて行きました。


ハイハイしている子達の中でひとりデーンと寝転んでいる赤ちゃん。
でもそのママさんは全く気にせずに遊んでいたのです。


そのママさんが自分の子に向ける表情は慈愛に満ちていて、私は頭をガツーンと殴られたような衝撃を受けました。

管理人ペコリ

ああ…私はこつぶがハイハイ出来ないのをみんなに知られるのが辛くて今日来たことを後悔していたのに…

あのママさんはそんな事気にしないで全力で自分の子と遊んでる!!



そのママさんの姿をとてもまぶしく感じました。



こつぶをいろんなところに連れて行きながら、どこか発達が遅れていることにひけ目に感じている自分がいました。

どこに行っても発達が早い赤ちゃんは羨望の的で、発達が早い=素晴らしいことのように思っていました。

作業療法士

発達が早い遅いが重要じゃなくて、その子がその子のペースで順を追って発達過程を経て行くことが大切なんだよ


先日、作業療法士の先生がそう言ってました。

「比べるのは他人とではなく、過去の自分」とよく言いますが、それは自分の子どもにもあてはまるんですよね。
私も他の子どもと比べるのではなくて、過去の息子と比べて成長を喜んであげればよかったです。

管理人ペコリ

私は息子が0歳1歳の頃は本当に狭い世界の中でひたすら毎日生きていて、視野まで狭くなってました

目の前のこの子の成長をただただ喜ぶことの大切さ、そして今出来ることを精一杯楽しむ姿勢を、あの見知らぬママさんが教えてくれたのでした

発達がゆっくりだからってひけ目を感じなくて良い、そう感じるくらいなら児童館なんて行かなくて大丈夫だよと当時の自分に言ってあげたいです

行ってへこむくらいなら、家でせんべいかじってこつぶとゴロゴロしていればよかった、今の私はそう思います

▼本日のオススメ絵本▼
途中の見開きページでこつぶが大爆笑
読み聞かせる私も大好きな絵本です♪

ABOUT US

管理人ペコリ
4歳男児の母。アラフォー。 子どもが0歳2ヶ月のころ助産師さんに「この子は自閉症」と言われたことをきっかけに子どもの発達や発達障害に興味を持つ。 狼狽しながらも日々情報を集めさまざまな療育を試すうちに「自分と同じように暗闇にいるママたちの力になりたい」と思うようになり保育士資格を取得。情報サイト「雨の日も、晴れの日も。」を立ち上げる。 赤ちゃん学研究の専門家と一緒に赤ちゃん絵本「スライムぴぴぴ」を作りました。