息子こつぶに発達障害(自閉症スペクトラム)の診断がつくまでの話です。
▼前話「児童館で心がポッキリ折れた話」はこちら▼
こつぶ0歳9か月。
2か月ほど前に申し込んでいた区の心理相談&発達検査の順番が回って来たのでこつぶを連れて行きました。
心理士の吉本です!
こつぶくんこんにちは!
(心の声)若くてハキハキした先生だなぁ
今日はよろしくお願いします!
乳幼児が受けられる発達検査はいくつかありますが、こつぶが受けたのはその中でもかなりメジャーな「新版K式発達検査2001」でした。(現在は改訂版の2020)
新版K式とは、「子どもの発達がその月齢相応かどうか」を評価する検査方式です。(100が月齢相応、高ければ発達が早め、低ければ発達がゆっくり)
「姿勢・運動」「認知・適応」「言語・社会」の3領域があります。
対象年齢は生後100日の赤ちゃん~成人までです。新版K式検査とは
検査の内容はくわしく書けないのですが、10分ほど世間話をしたあと検査がスタートしました
そして1時間ほどであっさり終わりました
0歳代なので(そしてお座りもまだできなかったので)息子の横に私が隣に座って検査がおこなわれました(基本は母子分離)
まだ0歳なので検査っぽい雰囲気ではなく、遊びながら心理士さんがいろいろチェックするのがメインでした
この1年後、1歳11か月で同じ検査を受けた時は割と検査っぽい雰囲気だったよね
年齢によって検査内容も違うからね
1歳11か月の時は机に着席しての検査だったから、かなり試験っぽかったね
検査の結果は1か月後でした。
検査結果の紙をとっくに捨てたと思っていましたが、例の「地獄の育児日記」を見たらきちんとたたんで挟んでありました。
▼「地獄の育児日記」の話はこちら▼
実際の検査結果がこちらです↓
薄いピンクの部分が発達指数(DQ)と呼ばれているものだよ
これが100だと月齢相応の発達ということになるよ
こつぶの結果は
「姿勢・運動」が85「認知・適応」が97「言語・社会」が126
総合(全領域)が97でほぼ月齢相応だったよ
へえ~、ところで運動とか言語は何となく分かるけど、「認知・適応」ってなに?
平たく言うと、マネをしたり、物や道具を操作する力がこれに入るね
たとえば心理士さんをマネして拍手をしたりお絵描きをする、積み木を積む、折り紙を折るなどはこの領域に入るよ
こつぶは97っていうことは発達に大きな遅れはなかったんだよね?
そうなんだけどね、この結果を見て私はおかしいと思ったんだ
え?おかしい?どういうこと?
この検査を受けた時点でこつぶは「指差し」が出来なかったんだ
でも結果は「ぬいぐるみ、絵本のキャラクターを指差した」となっていて、その影響で「言語・社会」が126とかなり高く出ちゃってるんだよ(指差しは認知・適応ですか?と質問したら言語・社会に入りますとのことでした)
結果を見てすぐ心理士さんに「息子は指差しが出来ないのですが」と伝えました。
そして検査中もずっと見ていて、検査室にアンパンマンの人形や絵本が置いてあったことも覚えているのですが、それらを見て息子が指差しをした事はなかったと記憶していました。
そしてそもそも息子は物理的に「人差し指を立てるポーズ」自体が出来なかったのです。
それらを心理士さんにオブラートに包んで伝えました。
すると…
いや…信じてないとか信じてるとかじゃなくて…
実際できないねーーーーん!
…とはもちろん言ってませんが、あまり納得できずに帰宅しました。
指差しの部分以外はよく見てくれている印象があったんだけど、なんだかモヤモヤした感じで終わったよ
そして1年後に受けた発達検査では検査中に疑問に思う対応があり、それがキッカケで途中からこつぶが崩れ落ちてしまってグダグダの結果だったんだ
発達検査の結果の数字にのみ注目するのは危険だなと考えるようになったんだ
そもそも幼児期に発達検査を受ける場合は子どものコンディションに左右される部分が大きく、例えば寝起きで少しぼーっとしていたというだけで簡単に結果が変わったりもするんだよ
「定型であれば気持ちの切り替えができる」「コンディションに左右されすぎるのも特性のうち」という先生もいるけれど、個人的には未就学児はそれでも気分によるパフォーマンスの差が激しいと思うな
そして検査をする人の技量の差や対応によっても結果が左右されると実際感じたよ
本来は誰がやっても正しい数値が出るように検査が作成されていると思うけれど…こつぶの2回分の結果を見てそうは思わなかったな
じゃあ発達検査は何のためにするの?意味がないの?
結果のDQの数値にのみ注目するのではなく「だいたいどんなことができるのか」「どの部分が苦手でどの部分が得意なのか」を客観的に知り、それに対してどのように関わって行けば良いか、適切に支援して行くための方法を知る手段だと思うよ
検査結果が数字で出てしまうから、それに一喜一憂してしまう親御さんもいるかもしれないけれど、あくまで数字は目安、大事なのはそこから何を読み取るか、だね
じゃあ「検査だから」とかまえなくても、子どもの事をより知るための手段と捉えれば良いんだね
そういう事だね!
結局その後、息子は10か月すぎで指差しが出始めました。
当時毎日のように読んでいたこの絵本が指差しが出始めるキッカケになりました。
指差しの出始めである「自発の指差し(興味がある物を知らせる指差し)」から始まり、いちばん高度な「応答の指差し(◯◯はどれ?で答える指差し)」もこの本で獲得し、結局0歳から2歳過ぎまで何度も繰り返し読みました。
大ベストセラーなので持っている方も多いと思いますが、それも納得の1冊ですね。
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「発達検査」と聞くと何やら試験を受けるような気持ちになるなぁ…
自分が受けるわけじゃないけど緊張する〜
それにしてもこの建物、なんだかすごく薄暗いな…
あ、検査室…あそこかな?