息子こつぶに発達障害(自閉症スペクトラム)の診断がつくまでの話です。
▼前回の話はこちら▼
息子、1歳6か月。
遂に「1歳半健診」の日がやって来ました。
1歳半健診とは
その頃の息子は…
・ヒマさえあれば横目で走る
・3度の飯よりタイヤ回しが好き
・呼びかけに対して反応が薄い
・人のマネをしない
・目が合いづらい
・体の使い方がぎこちない
・睡眠が不安定すぎる
・手を繋げず脱走する
など気になる点がいろいろありました。
そして母子手帳の1歳半の記録では「いいえ」に◯がつき、それを眺めてはため息をつく毎日でした。
はぁ…今回の記録もいいえが何個かついちゃったよ…
いよいよ健診で引っかかるだろうな
でもここまで来たら早めに引っかかった方が気が楽かもしれない
0歳の頃は「この子は本当に自閉症なんだろうか?」と疑う気持ちも強く、否定してくれる誰かを心から望んでいました。
ところが特性と思われるものがいろいろ出ていた1歳半の頃は、もうその段階は過ぎ、「発達障害なのであればそう言って欲しい」「診断がつくならつけて療育など次の段階に早く進みたい」と思う気持ちがだんだん強くなって来ました。
そして引っかかる気満々で迎えた1歳半健診当日。
何か言われるのは怖いけど…
スルーされて後で後悔する方がもっと怖いし
次に繋げてもらえるならその方が絶対いいはず、そう思おう!
固い決意を胸に、保健センターに向かいました
センターには同じくらいの月齢の親子が20組ほど待っていました。
健診に来ていた他の親子は自然なやりとりをしていました。
目を合わせて笑い合ったり、言葉をかけたり、おとなしく絵本を読んでいる子もいました。
一方で座っていられず目を離すと出口に向かって脱走をはかる息子。
他の子達と息子はまるで違う生き物のように思えて少し悲しくなりました。
「出来るだけ待ち時間が少なくなるように、いちばん最初か、最後に来ればよかった…」
そう後悔しながら1時間ほど待っていると名前を呼ばれました。
こつぶくん、こんにちは!
保健師の中山です
……………プイ
じゃあさっそく…
積み木つめるかな?
はい、積み木どうぞ
保健師さんから手渡された積み木をなぎ払って光の早さで終了。
次は「指差し」の検査でした。
いくつかの絵が描いてあるシートを保健師さんが取り出しました。
じゃあ聞くよ!
こつぶくん「お人形さん」どれかな~?
心の声(この人形……絶対わからんと思う…)
シーン………
あら…………
じゃあ違うのを聞いてみよう、「お魚」どれかな?
(リアルな魚の絵、見せた事ないかも…)
シーン………
あら…(問診票に記入している)
じゃあ次は先生の診察までお待ちください
はい、ありがとうございました
積み木も指差しもめちゃくちゃでした。
でもいい、これで完全にフラグが立った。
清々しさすらおぼえ保健師さんの部屋を後にしました。
そして名前を呼ばれ医師のいる部屋に入りました。
こんにちは、こつぶくん
ふむふむ、発達が心配…
でも単語は出てるみたいですね
(ドキドキドキドキ…なんて言われるかな…)
返って来た言葉はまさかの「問題なさそうかな」。
その流れで問診が終わりかけたので、聞いてみました。
でも先生、積み木も指差しもめちゃくちゃでした
そもそも保健師さんと目を合わせようともしてません…
あと母子手帳の「いいえ」にも◯ついていますが…
うーん、まあ個人差あるからね
単語もいくつかでているし、歩けているし…今のところは大丈夫じゃないかな
大丈夫…一瞬その言葉を嬉しく感じたのですが、日頃の様子を見てどうしても大丈夫と思えなかったので話を続けました。
あの、でもいろいろ発達で気になる点があって
発達専門の病院にもかかっているんですが…
あ、そうなの?
僕、発達専門じゃないから、発達の事はその先生に聞いてね!
専門の病院にかかってるなら安心だね!
ええええええええええ
私が想像していた1歳半健診とまったく違いました。
「別室に通されていろいろ話を聞かれるのかな…」「次に繋げてもらえるのかな」と事前に考えていましたが、あっさり「問題なし、大丈夫」で終わってしまいました。
その後の身体測定はギャン泣きで押さえつけるのに一苦労、歯科検診は思い出したくもないほど地獄でした。
結局、自ら「専門の病院にかかっている」と申告したことがキッカケで帰る前に保健師さんに別室に招かれました。
「専門の病院にかかってるから大丈夫だと思うけど…」と前置きされた上で、発達が不安な親子が行く区主催の親子教室の案内がありました。
本当は2歳からなんだけど…お母さんの不安が強そうだし、心配だったら参加してみる?
はい、ぜひよろしくお願いします!
(やった!一歩前進できた!!)
こうして区主催の「発達が不安な親子が通うグループ」に月に1回、通う事になりました。
保健師さんに聞きましたが、うちの自治体では1歳半健診で発達に不安があってもとりあえず2歳までは様子見、そして2歳の時点でまだ言葉が遅い、落ち着きがないなどの心配事があればグループに声をかける場合もあるとの事でした。
ちなみにこの親子グループには1年弱通いました。
内容は45分ほどの時間で自由遊び、リトミック、母親同志が雑談をして終わり、という構成でした。子どもの発達を専門的な目線で見てくれるというよりは「発達がゆっくりな子がいる母親が孤立しないように母親同士を繋げてコミュニティを作る」事をいちばんの目的としているように感じました。
気合いを入れて挑んだ1歳半健診はあっけなく終わりました
うちの息子のようにこんなに発達が気になる点があっても、健診には案外引っかからないものなんだなあと感じた事を覚えています
各自治体の方針や見てくれる医師にもよるとは思いますが、うちの自治体では健診で取りこぼされる事も少なからずありそうでした
また発達に不安があったとしてもうちの自治体の流れだと「経過観察という名の何もしない期間」が長すぎると個人的に感じました
もしお子さんの発達に不安があって「経過観察をしましょう」と言われた場合は「経過観察はいつまで続くのか」「経過観察が終了した後はどういう流れなのか」「専門機関に繋げてもらえるのか」「自治体のサポートはどういうものがあるのか」これらを具体的に聞いてみるといいと思います
▼オススメ視覚支援▼
せいかつ絵カードずかん
入園・入学準備にも使える
視覚支援カードです
絵がシンプルでとてもわかりやすい1冊
Kindle版もあります
▼こちらの話もどうぞ▼
さあさあやって参りましたよ
1歳半健診(震え声)
ああ…行きたくないなー行きたくないなー