「発達障害や自閉症スペクトラムは治るの?」【後編】です。
ぜひ前編とあわせてご覧ください。
▼前編はこちら▼
前編では「合う方法を見つければその子なりに改善する可能性はある、ただし全員に絶対効果がある方法はない」とお話しました。
後編ではうちの息子が今まで試して改善に効果があったと感じたものをメリットデメリット交えてご紹介したいと思います。
あくまで息子のケースなので、判断材料のひとつにしていただければと思います。
ー息子が今まで取り組んだものー
・漢方
・ABA(応用行動分析)
・栄養&食事療法
(グルテンカゼインフリー&サプリ)
・感覚統合
・モンテッソーリ
・一般的な療育
・テレビなし育児
漢方(1歳半~3歳で終了)
「自閉症は漢方でよくなる」という本を自閉っ子ママにすすめられたことがきっかけで半信半疑で開始しました
・寝付きが悪い&眠りが浅く夜中に覚醒する
・うんちがめちゃくちゃ固い
・癇癪&イライラ
この3点が気になっていた時期でしたが、夜中の覚醒と固いうんちの2点は割とすぐ改善されました
癇癪&イライラへの効果はあまり感じませんでした
漢方なので効き目はゆるやかですが、保健適応の病院だったのでハードルが低く始めやすかったです
漢方はネットでも買えますが漢方同士の飲み合わせもあり、素人判断でやるのは難しいと感じます
漢方外来や漢方クリニックなどで医師に診察をしてもらい調整しながらがオススメです
あと、漢方が基本的にめちゃくちゃ苦いので飲ませるのに結構苦労します
ABA(応用行動分析)(1歳半~4歳で終了)
うちの息子の成長はABA無しでは語れないレベルです
始めた頃はこんな状態でした
・自閉度がとにかく強く感覚刺激ばかりで人と関わることが苦手
・目が合いづらい
・単語は出ているものの自分の中で完結しており「言葉を使って人とコミュニケーションをとること」が苦手
現在日本で受けられる本格的なABAは
・親が学び自ら子どもにセラピーをする
・エージェントに依頼しセラピストにやってもらう
この2種類に分かれています
前者だと「つみきの会」が有名で親が自ら学ぶ必要があり取り組む時間や精神的な負担がありますが費用的な負担はそこまで大きくはありません
後者は自費のところが多いため費用面がネックですがセラピストは専門的に学んだ先生方でレベルが高いです(ですが、当たり外れもあります)
私は自分で出来る気がしなかったので最初から後者のエージェントにお願いしました
最初に契約したエージェントは机上で取り組むタイプで息子にはあわず半年ほどでやめ、2つめのエージェントの遊びながら関わりを引き出すやり方法が息子に合っていました
・言葉を使って人と関わるキッカケを作ってくれた
・スキル(特に遊び)を増やしてもらい感覚刺激以外に視野が広がった
この2点をABAでコツコツ取りくんだ事で土台ができ、一気に伸びました
ABAを始める前は自閉度バリバリでしたが、ABAを卒業する頃には自閉度はかなり薄くなりました
ABAの入り口として「発達障害の子どもを伸ばす 魔法の言葉かけ」という本が日常的に取り入れやすくオススメです
ABAが気になっている方はぜひ読んでみて下さい
栄養療法(2歳前~4歳すぎで終了)
通い始めた頃は
・寝付きがとくかく悪い
・不安感がとにかく強い
・お友達と全くかかわれない
特にコミュニケーション面がかなり心配でした
グルテンフリーカゼインフリー、腸内改善(プロバイオティクス)、あとは気になる症状に対応したサプリメントを医師の指導で飲んでいました
「不安や緊張をやわらげる薬」「認知を伸ばすサプリメント」「寝付きが良くなるサプリメント」この3つが息子にはとても効果があり、特に不安感をやわらげるオキシトシンの効き目をかなり感じました
通い始めた頃は少しの物音でびくついたり初めての建物に入って行けない事があるなど、日常的に緊張感と不安感がとても強かったのですが、オキシトシンを飲み始めて随分やわらぎ「初めての場所やちょっとした物音でも大丈夫」という経験をたくさん積めたことが良かったです
飲むのをやめた今はほとんど気にならないレベルです
寝付きの悪さも以前は1時間以上かかる事がザラでしたがサプリですぐ入眠できるようになり朝までぐっすりになりました
サプリをやめた今も年齢的な成長もあると思いますが睡眠に問題はなくなりました
グルテンカゼインフリーや鉄サプリ、プロテイン程度であれば自宅でもある程度取り組めますが、それ以上の効果を求めるとなると医師しか処方出来ない薬や日本未発売のサプリメントがあるため、専門医の受診がほぼ必須になります
自費なのでハードルは高いですが自分の判断でサプリを子どもにあげるのが心配だったので私は医師に頼りました
値段以上の効果があったと私は思います
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感覚統合(4歳~)
作業療法自体は2歳すぎまで通っていて先生に特に問題がないと言われ終了していました
ですが「体の動かし方がぎこちない」「手先の不器用さ」がやはり気になり感覚統合をやっている作業療法士さんをたずねました
・感覚過敏
・体幹が真ん中に定まっていないことによる左右差
・それらにより出てくる不器用さ体のぎこちなさ、固さ
これらを指摘され、感覚過敏をやわらげる「タッチング」、体幹と脳を育てる「バルンポリン」「しがみつき抱っこ」の3点を毎日10分程度自宅でやっています
過敏さに関してはタッチングを始めて1週間で効果を感じ、体を育てることの大切さを実感しました
感覚統合はまだ始めて半年ほどなのですが、手応えはかなり感じているので毎日コツコツ継続していこうと思います
デメリットは特に無いように思いますが、基本的に親が毎日コツコツしてあげることで効果がでるものだと思います
木村順先生の本がわかりやすくオススメです
最後にリンクを貼っておきますので気になる方はご覧ください
モンテッソーリ
モンテッソーリはガチガチに取り入れている訳では無いのですが、1歳代にモンテの療育に通っていたのと、今通っている幼稚園がモンテを取りいれている園なのでゆるくやっています
毎日お仕事(教具を使った手先の活動)をすることが習慣化し、集中力がついたと感じています
ただし、ひとつ注意点があります
モンテの考えは「子どもの自己選択」が基本なのですが、自閉症の子は「同じ仕事に執着して視野が広がらない事があり、その場合は選択肢としていくつか提示して選んでもらうなど現場で少し工夫が必要」と言語聴覚士さんからアドバイスをもらいました
息子も同じお仕事ばかり繰り返していないか時々園の先生に確認しています(今のところ大丈夫そうです)
テレビなし育児(0〜1歳)
これについては正直に言うと…途中で挫折しました!
0歳代は頑張っていましたが、1歳すぎからEテレの誘惑に負けました
うちの息子はテレビなし育児のメリットよりも、テレビを適度に見るメリットの方があると感じました
ただ映像と音の刺激はとても強く発達障害の子がのめり込みすぎてしまうのもわかります
合うお子さんには合うのだろうなと思いました
一般的な療育
最後に受給者証を使って通う一般的な療育(いわゆる児発)についてです
正直なところ先生方の専門性は高くないことがほとんどで療育の効果はあまり期待はできないと思います
ですが、「地域の中での居場所を作る」という意味で果たす役目はとても大きいと感じます
発達障害が改善するという点においては期待はあまり出来ませんが、子どもにお友達ができたり、同じ悩みのママと知り会えたり、就園や就学の情報を得やすいといった点でメリットは大きいです
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それぞれにメリット、デメリットがあるんだね
そうだよ!どんな方法でもメリットデメリットはあるよ
私は
・子どもが拒否をしていないか
・それをやるメリットデメリット
・費用対効果
・親の精神的負担
これらを考えてその都度取捨選択しているよ
そしてどの方法にも共通して言えるのが
すぐに結果を求めない
誰かにおまかせして終わりではなく親が主体的に動く
これだけは忘れないよう肝に銘じているよ
いかがでしたか?
今回はうちの息子が実際取り組んだ事を具体的にご紹介しました。
息子は「これだけやって伸びた」というものはなく、以前もお話ししたように、「毎日口から入るもの(栄養やサプリ)」「日々の学び(療育や教育)」「コツコツ体を育てること(感覚統合)」この3本柱を大切にすることでぐんと伸びたと感じています。
最後にそれぞれの入門に最適な書籍のリンクを貼っておきますので、興味がある方はぜひご覧くださいね!
▼漢方の入門書オススメ▼
「自閉症は漢方でよくなる!」
「育てにくい子にはわけがある」
「マンガでやさしくわかるモンテッソーリ教育」
この中で「改善に効果があった」と思ったのは「漢方」「ABA」「栄養療法」「感覚統合」です
ひとつひとつの解説と、最後に実際私が読んで良かった関連書籍のリンクを貼りますので気になった方は参考にしていただければ幸いです