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息子は年に数回、療育先で「作業療法士」の先生に見てもらっています。
作業療法士とは療育施設や病院にいる医療従事者で、平たく言うと生活に関わる動作全般を見てくれる体や手先のプロフェッショナルです。詳細はこちら→(作業療法士ってどんな仕事?)
息子を見てくれている先生は療育の他に
保育園や幼稚園を回って育児相談を受けたり乳幼児の発達を促す遊びの指導もしてらっしゃるのですが、沢山の幼児と接する中で最近「しがみつくこと」が出来ない子が増えているという話になりました。
へえ〜「しがみつき」ですか?
幼児の発達に「しがみつくこと」ってそんなに重要なんですか?
そういえば息子(4歳)も苦手なんですけど…
うん、とても重要だよ
しがみつきと幼児の脳の発達ってものすごく密接な関係にあるからね
なんですって!?
ちょっと先生、詳しく聞かせてくださいな
そこからベテラン作業療法士の先生の
「しがみつきが幼児の発達にとっていかに大切か」という熱いトークが30分以上続きました。
熱すぎて全部ここに載せると軽く10万字くらいになって火傷しそうなので、私が先生から聞いた話を噛み砕いて重要な部分のみを抜粋しご説明します!
『そもそも「しがみつく」という動作がとても高度』であることはご存知ですか?
・「しがみつき」できる動物は霊長類(人間や猿)のみ(知的レベル=高い)
・猫やリスは木に登れても枝にしがみつく事はできない(知的レベル=低い)
・しがみつける動物は知的レベルが高く、見たものを瞬間的にマネする(即時模倣)が出来る
・その他の動物は即時模倣ができない(1つの芸を時間をかけて習得する事はできるが見たものを瞬間的にマネする事は出来ない)
へえ~
「しがみつく動作」って人間や猿にしかできないんだね!
言われてみればリスが木にしがみついてるのって見た事ないもんね
脳が発達したからこそ我々類人猿はしがみつく能力を獲得出来たんだね
そうなんだって
それを踏まえた上でさらに大切な話をするよ
・しがみつく動作ができる子=体と脳の発達が年齢相応に発達している
・しがみつくのが苦手な子=体や脳の発達に未熟な部分がある
↑ここがとても重要なポイントなんだよ
発達障害やグレーゾーンの幼児は「しがみつき」が出来なかったり苦手な子がとても多いんだって
「抱っこしづらいな」と感じる子も実は「お母さんにしっかりしがみつけてない」事が多いんだって
たしかに、こつぶも公園にある「登り棒」や「ターザンロープ」にしがみつく事が苦手だね
同じ年齢の子は普通にしがみついて遊んでいるのに、僕がお尻を押して支えてあげてるのにすぐに落ちて来ちゃうよ…
でも、しがみつく事って生きて行く上でそんなに大事なの?
正確に言うと「しがみつく」動作をするための指令を出す「脳が育ってない」んだよ
霊長類の話を思い出してみて?
高度な知能レベルを持つ霊長類が簡単に出来るはずの「即時模倣」(見た物を瞬間的に真似すること)が苦手な発達障害の子って多いよね?
あ!そういえばこつぶって…
ダンスやお遊戯みたいに時間をかけてじっくり覚えるのは出来るけど、目の前の人がパッパッパ~とポーズを変えるのを見てとっさにマネするのは苦手だね
人間の動作って全て脳から指令がでてるでしょ?
体や脳の発達のどこかに未熟さがあると
「本来あたりまえに出来るはずの事」につまづいてしまうんだ
しがみつきが出来ない子は他にも何かしらのつまづきを抱えている可能性があると捉える事ができるんだよ
なるほど!しがみつけるかどうかが重要なのではなくて、しがみつくために必要なレベルまで「体と脳が育っていない事」がポイントなんだね
そう!そういう子は「しがみつき」の動作を鍛えると体も脳もどんどん育っていくんだって
だからこつぶを見てくれている作業療法士の先生は「しがみつきが苦手な子が増えている」事を懸念していたんだよ
結論。
幼児にとってしがみつきの動作は体と脳の発達にとっても大切!
鍛えましょう!
なるほど〜わかった!
で、どうやって鍛えればいいの?
鉄棒にぶら下がって鍛えればいいの?
それだとただの「腕の筋トレ」になっちゃうよ
先生に教わった「しがみつき抱っこ」のやり方を説明するね!
ここでポイントなのは
・子どもの体の軸が少しだけ後ろに傾いていること
・子どもがアゴをひいていること
・子どもが腕を曲げて巻き付けていること
・子どもが後ろにバタンと倒れないように注意!(私は自分の両腕と脇で息子の太ももをギュッと挟むと安定して良い感じです)
ポイントをしっかり守って
この姿勢を30秒キープするんだよ
子どもの体が後ろに傾きすぎると負荷がかかりすぎてただの筋トレになってNG
前傾姿勢は負荷がかからずNG
大切なのは子どもが30秒しがみつける「適度な角度」を探って負荷をかけること!
これを毎日数回、コツコツ続けることで体も脳も育っていくそうです。
今回の図の抱っこはかなり初級編で、最終的には正しい姿勢で「ぶたの丸焼き」(鉄棒でよくやるアレ)が出来るとバッチリだそうです。
私もこつぶと一緒に「しがみつき抱っこ」を楽しみながら毎日コツコツやっていこうと思います!
今回紹介した
しがみつき抱っこが分かりやすく解説されている本を息子の作業療法士の先生が教えてくれたので最後にリンクを貼っておきます
私は息子が産まれてから自閉症や発達障害関連の書籍を50冊以上は読みましたが、オススメベスト3に入る1冊です
似たような本は沢山ありますが、その中でとても分かりやすくとても理にかなっている事が大きなポイントでした
そしてしがみつきのやり方以外にも様々な困りごとやつまづきが起こる具体的な理由と身体アプローチによる対処法がイラスト付きで丁寧に解説されていることがオススメポイントです
気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。もちろんですが私の解説よりもはるかに勉強になります
子どもの困りごと、親の困りごと、少しでも良くして親子共々楽にいきましょう!
しがみつき抱っこがのっている幼児向けはこちら↓
小学生向けはこちら↓
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今回は私が療育の先生から聞いて「皆さんに共有したい」と思った事をご紹介します!
少し専門的な話になりますが「発達障害児育児をされている方・お子さんの発達が気になる方・子どもの発達に興味がある方」ぜひご覧ください